騎士譚は城壁の中に花ひらく 2
ゆづか正成
姫君は短剣を授けた。
騎士見習いの忠誠の証に――。
はてさて、どんな騎士譚が咲くことやら――
立派な騎士になることを夢見る見習い騎士ロサ・スカーラエは『錠の城』で、先輩騎士から弓の扱い、森の歩き方、戦い方を学び、人々との出会いを重ね、充実の日々を送っていた。一歩一歩着実に、騎士への道を進むロサだったが、平和なクラウストラ城に、危機が迫る。武装した野盗まがいの集団が、領主と騎士達の不在を狙って襲撃してきたのだ。
だが、恐れず、怯まず、冷静に、差し迫る危機に対し、覚悟を決めた姫君がいた。
ぼくがウィオラ様を守ります――
ぼくを貴女の騎士にしてください。
騎士としての心が芽吹く騎士見習い成長譚、第二幕。