騎士譚は城壁の中に花ひらく 3
ゆづか正成
従騎士は、修練を積み、託された思いを胸に刻み、騎士へと至る。
すべての騎士譚は、城壁の中から始まるんじゃよ
騎士見習いとして学び始めてから二年――
従騎士となったロサは、厳しい訓練の傍ら紋章や社交など、騎士の教養を学んでいた。
ある日『錠の城』城主の嫡男ラケルタの他領への出立とその姉ウィオラの婚約話を耳にする。
同じ年頃、同じ立場の二人の変化に、騎士として、「梯子の城」城主の娘として、心が揺れて……。
そんな時、二年前姿を消した騎士ヒルンドーのその後がわかり――。
騎士譚が語り継がれる限り、騎士は永遠に騎士であり続けられるのだ。
騎士の誇りとその在り処を知る騎士見習い成長譚、最終幕。